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千葉県いすみ環境と文化のさとセンター

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海辺の植物観察

7月21日(日)、午前9時の気温24.4℃、今朝の最低気温23.3℃、曇。朝起きると濃い霧がかかっていたいすみ市。一時パラっと雨が降りましたが、ドンヨリとした雲が一日中空を覆う天気でした。

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今日は7月最後の行事「海辺の植物観察」を行いました。講師を招いての観察会です。センターへ集合後、各自の車にて観察場となる太東海浜植物群落へ向かいました。


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やはり一番の注目はこのスカシユリです。鮮やかなオレンジ色の花が目を引きます。




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そこでスカシユリの構造についての解説職員が行いました。花びらは6枚?と思いがちですが、花びらは3枚、あともう3枚花びらに見えるのは、がく片なんです。スカシユリの花の模式図(がく片、花弁、おしべ、めしべのついた節の間を引き伸ばして横からみた図)を提示して細かく解説しました。


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講師からは、太東海浜植物群落の歴史や経緯についてのお話もいただきました。大正9年、国指定第一号天然記念物に指定されました。当初は5haありましたが、浸食により減少してしまいました。過去の新聞記事の切り抜きを提示しながらの解説。東日本大震災の翌日に撮影した津波によって受けた被害の写真(碑が倒れていたり、擬木の冊が倒されていたり)などを見せていただきました。長い歴史の中で、太東海浜植物群落の減少をを守るための活動が陰ながら行われていることにも関心いたしました。


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太東海浜植物群落の裏側に回って海辺の植物観察は続きます。遠くからの撮影でスイマセン。フウトウカズラの葉のようす。コショウ科の植物だそうで、においをかいでみるとほんとにコショウのにおいがしました。どこかのラーメン屋においてある「GABAN」(コショウのブランド)の青とシルバーの容器を思い出してしまいました。こんなにはっきりとコショウのにおいがするのですね。驚きです。


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これはハマダイコンの花。食用のダイコンの花そのものですね。講師の知り合いの方がハマダイコンを肥料を沢山あげて食用のダイコンになるかどうか試してみたそうですが、食用のダイコンのようにはならなかったようです。


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こちらは小さく可憐な花、イワダレソウ。砂浜の安定地や泥岩などの柔らかい岩磯に生える多年草。夏に小さな花が集まった長楕円形の穂を付けます。



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こちらはハマゴウという植物。開花した花はまだまばらですが、うすい紫色の花が印象的です。葉をかじっている参加者の方がいらしたので真似してかじってみると…濃いパセリをかじっているような味がしました。お昼近くで小腹がすいていたので、かじってみると少し空腹をしのげました。ハーブのような香り。海岸の砂地に生える落葉低木で群生します。紫色の花をつけ匍匐して伸び、のちに立ち上がります。

このほかに観察した植物は、コマツヨイグサ、コメツブウマゴヤシ、タイトゴメ、ツルナ、テリハノイバラ、イソギク、トベラ、ハマオモト、ハマツメクサ、ハマニガナ、ハマボッス、ヒメヒオウギズイセン、ラセイタソウ、マサキ、ハマゴウ、ボタンボウフウ、クコ、オオバグミ(マルバグミ)、アメリカネナシカズラ、など。あっという間の観察会でした。アンケートには、「ゆっくり解説を聞けたこと、「去年見られなかった植物がみられたことがよかった」と記入いただきました。

来年もぜひご参加ください。

お待ちしています。


by isumi-sato | 2019-07-21 17:25 | センターこぼれ話