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秋の雨、秋の花


9月15日、雨。午前9時の気温は20.6℃、今朝の最低気温は19.1℃でした。
きのうの最高気温は24.8℃と、9月11日までの連日30度を超えた今年の猛暑はやっと次の季節へと移行したもようです。

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きのうに続いて、今日も小雨が降り続く一日となりました。九月は一年のうちで最も日照時間が短い月で、逆に降水量は多いといいます。
この3連休は残念ながら雨が続く天候となってしまいました。
万木堰の水面に雨模様が広がります。が、水位はまだ上がらずオーバーフローの土管より下の方に土が見えつづけています。



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田んぼにも水がたまり始めました。





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ハザ掛けの稲束も濡れてしまっています。





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田んぼのフチには、白い花が咲いていました。稲刈りが終わって光がたくさん射すようになったためか、オモダカが元気にいくつもの白い花をつけています。
来年雑草がはびこらないためには、このオモダカの果実は除いておいた方が良いようです。





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田んぼの南側、先日紹介した赤い花の蕾、数メートル隣では、ヒガンバナが早くも花を満開に開いていました。




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昆虫広場の草むらの中に、小さな赤紫色の花がたくさん咲き始めています。秋の代名詞といってもよい、秋の七草のひとつ、ハギの花です。




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すぐ近くでは、ススキの穂が出てきています。その茎を上に登っていく昆虫がいました。触角の長い、アシもなかなか長い、背中に茶色のラインを持った昆虫です。どうやらキリギリスの仲間、セスジツユムシのようです。




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雑木林の中、中低木のタチバナモドキにも、触角の長い、どうやら同じ昆虫がいました。さきほどと同じセスジツユムシのようです。



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堰の堤沿いのアジサイの中に白い花が咲き始めています。ヒヨドリバナのようです。
葉にクマリンを含むため、乾燥させると甘い香りがするといいます。




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昆虫広場の草むら、ススキの根元をさがして ナンバンギセル の花を見つけることができました。ナンバンギセルはハマウツボ科の一年生の寄生植物です。みずからは光合成を行なうことを放棄し、他の植物から糖分を盗んで生活しています。
秋になると地上部は10cmくらい、2~3cmの小さな赤紫色のパイプを立てたような姿の花を見つけることができます。他にイネ科植物や、ミョウガ、ギボウシ、ユッカなどにも寄生して、熱帯ではサトウキビにも寄生するので害草として扱われているようです。白花のものや青紫色のものもあるようです。万葉集では「思ひ草」の名前で読まれているものがナンバンギセルに該当するといわれて古代から日本人の目にとまっていたようです。
昆虫広場では、毎年ほぼ同じ場所、二ヵ所ほどの場所にそのかわいい姿を見つけることができます。花は一日二日でしぼんで姿を変えてしまい、近くにいくつかの花を繰り返して咲かせているようです。
目が慣れないと、少し見つけにくい植物です。



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小雨の降る中でも、トンボたちが飛んでいます。ひもに止まった瞬間、撮影できたのは、ノシメトンボ。腹の背中側が赤茶色に変わってきています。身近な赤トンボのひとつです。



季節はめぐり、秋らしいいきものがたくさん観察できます。
ご来館お待ちしております。


by isumi-sato | 2018-09-15 17:17 | しょくぶつ