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千葉県いすみ環境と文化のさとセンター

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目で見ることわざ体験

1月27日の答えは、ゴマ油の搾油でした。


さかのぼること昨年8月31日の収穫からちょっと温存されて、1月19日洗浄と天日干しをしました。
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皆さんに黒・白何で混ざっているの?と聞かれましたが、話せば長くなる話で…端的にいえば一部うっかり混ざってしまったので、全部混ぜてしまったという理由です。
収穫量は1.5kgでした。
このままでももちろん食べられるのですが、当初の目標として「ゴマ油を作る」でしたので、収穫したゴマは油を搾油することにしました。


とはいえ、ゴマの搾油経験者はゼロのセンター、とりあえずこんな感じか?という手順で搾油開始です。
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まずゴマを香が立つまでフライパンで炒りました。
何故センターに中華鍋が?とも思いましたが、ある物資は有効に使います。
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炒ったゴマをそのまま搾油機の受け口に投入…あとは、しぼりかすと油が分かれて出て来ます。
一番最初に出てきたしぼりかすは粉末状でしたが、2投目から筒状の物が繋がって出て来ました。
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触るとパキっと割れてしまう、硬いものです。
出てきた油は、真黒です。
搾油にどれだけ時間が掛るかと思ったら、1.5kgのゴマは30分も経たないうちに搾油が終わってしまいました。
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上がしぼりかす、中央がしぼりたての油、下がしぼりたてから泡を取り除いた物です。
しぼった油には不純物があるため、濾過すると普段目にするような色合いの油になります。
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センターでは地道にコーヒーフィルターとドリッパーを使っての濾過です。
ここで、失敗したなと思ったのは、ある程度不純物を沈殿させてから濾過にかければ良かったのですが、出来たてを濾過してしまったのでフィルターが詰まって詰まって、濾過速度は大層遅いです(途中目詰まりして油が落ちなくなった)。
ちなみに上の写真は、翌日28日撮影のものです。
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ポタポタとゆっくり落ちる油は、上のどす黒い油からは想像できないものです。
「油を売る」ということわざがありますが、意味は仕事の途中に時間をつぶして怠けること。また、むだ話をして仕事を怠けることとあります。
このことわざの由来のひとつとして、江戸時代に油売りが油を容器から移すのに大層時間がかかったからという説があるそうです。
まさに、体感。
タラタラ、タラタラ、タラタラ…目詰まりを取るために使ったスプーンから、なかなか油が切れません。
少しでも大切にしたい油、話す相手がその場にいたら確かにおしゃべりでもしていなければやっていられませんね。
でもそう考えると、油売りは別に無駄話をしている訳ではないですよね。


そんなこんなで、3日かけて(放っておいて)1.5kgから搾油した油が、濾過し終わりました。
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搾油量は約525ml。
全体の3割強の油がしぼれました。
フィルターの中は、真黒です。
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できあがった油の味と香りはと味見してみると…「ゴマ」でした。
普段口にするようなゴマ油の味と香りはせず、そのままゴマの味でした。
さて、なにがどうしてこうなったのやら。
もし、ご家庭でゴマ油を作っている方で、美味しくなるアドバイスがございましたら、センターまでご一報下さい。


そして、しぼったかすをどうしようかと考えて、ゴマ煎餅を(てきとうに)作ってみました。
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真黒なので、大変食味をそそらない風体にできあがってしまいました。
味は、唐辛子醤油。
やはり作り手がイマイチなので、できあがった物も可も無く不可も無い味になりました。
ただ、ゴマからある程度油を除いた物で、食物繊維やビタミン類は残っているでしょうから、健康に良さそうな食材だと思うのですが…。
料理上手な人の手にかかれば、美味しいものになると思います。
しかし、美味しく調理できなくても、油粕は良質な肥料になるので使い道はじゅうぶんにあります!
(ゴマ煎餅もゴマ好きならゴマの味なので、意外と癖になると思うのですが評判は主に無言でした)


ゴマを栽培から加工した感想としては、栽培は容易、加工は大変ということです。

収穫→乾燥→ゴマを鞘から落とす→ゴミを取り除く→炒る→搾油→濾過

油にしなくとも、ゴマ叩きとゴミ取りだけで結構な手間です。
収穫してすぐ食べられず手間もかかる…国内での栽培量も減るのだなと思いました。

今年もセンターでゴマの栽培を行う予定です。
今期は来館者の皆さんにも、栽培過程を体験してもらう予定です。
日程が決まりましたら、またブログや館内でお知らせいたしますのでお待ちしております。
by isumi-sato | 2011-01-29 17:50 | センターこぼれ話