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カエル目線で春の草いろいろ

4月24日、晴れのち快晴。午前九時の気温は14.6℃、今朝の最低気温は10.3℃でした。乾いた風が吹き、朝のうちは少し肌寒さを感じるくらいの晴れた一日のスタートです。

乾いた空気の過ごしやすい一日でした。


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夕方には雲が全くなくなって快晴となりました。再び風が少し肌寒いくらいです。


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昆虫広場では、今いろいろな春の草花が観察できます。やがてススキやオギが育って丈が高くなると、丈の低い植物は少数派になってしまいます。昨年のアシ、オギ、ススキをきれいに刈った部分では、チガヤの穂が風に揺れています。やがて穂が開いて白い穂がたくさん観察できるようになると思います。



ニホンアマガエルの田んぼから響く声が夜な夜な大きくなってきました。カエルたちの姿が草地にも見られるようになりました。カエル目線で低い植物をのぞいてみました。

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スイバは、今は30~50cm程度の高さで先が赤く染まり始めました。
近づいてよく見ると、、、。



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赤いものは、一つ一つが小さな花の集まりです。実は、花には6個のがく片があって、花びら(花弁)はありません。タデ科で、雌雄異株です。
やがて花のあとに、これらが種になると思うと、どうりでたくさんのスイバが育っていると納得です。スイバの仲間はかじると酸っぱい味がします。また葉っぱの形は、根元の方は長い柄がありますが、茎の上の方につく葉は、2つに割れて茎をはさむという形です。一つの植物でも、下の方と上の方では形が違うことになっているのです。





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ヒメオドリコソウが草地の一部で固まって群生しています。
この花も近づいてみると、口を大きく開いたような形の花で、上唇と下唇が見られます。虫眼鏡で見ると美しい発見があります。



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たくましく伸びてきた紫色の花を咲かせている植物があります。こちらはチョウのような形の花なので、蝶形花といいます。これも虫眼鏡で見ると美しい造形をしています。まきひげで他のものにからみついて伸びる代表的な「いわゆる雑草」です。茎の断面は四角で、葉は複葉、花のあとに小さなサヤエンドウのような種をたくさんつけます。これも増える訳だと納得です。実は秋には発芽しているといいます。軟らかい新葉は食べられます。やがて大きく伸びると厄介者になります。



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今、スギナやハルジョオンの中に、黄色い花をたくさん咲かせている植物があります。ヘビイチゴです。近づいてよく観察すると、植物を見分けるポイントをいろいろ見ることができます。
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花びら(花弁5枚)の後ろのガク(ガク片と副ガク片)が花びらよりも大きめで目立ちます。葉は、小さな3枚がくっついています(3小葉で複葉です)。また葉のつけね(柄のもとに)小さな葉のような突起(托葉)があります。花のあとに赤い実ができます(花托という部分が膨らんで実になります)。食べても残念ながら味はよろしくないようです。ヘビしか食べないのでヘビイチゴという名がついたという説もあるようです。バラ科の植物です。
同じ黄色でも、花びらの枚数やガクの形が異なるとか、葉の形、枚数が異なるとか、違いを発見できる目ができると、区別がつけやすくなっていきます。




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黄色い花でも花びらが4枚のもの(クサノオウ)も咲き始めました。
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畑にたくさんあるナノハナ、コマツナ、カブ、キャベツ、カラシナなども(アブラナ科)4枚の花弁です。



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地域固有種のイスミスズカケは、元気に葉を伸ばし始めています。新葉の裏は、赤紫色が目立ちます。花をつけるのは、6月初めころです。



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たくさんの野の花や植物を観察できる季節になりました。シャクも咲き始めました。
ご来館お待ちしております。



by isumi-sato | 2017-04-23 18:47 | しょくぶつ