待望の雨が降ってセンターの畑の作物は生気をとりもどしてきました。
水がなくて田んぼ作業が遅れているところも、この雨で水不足が解消され田植ができることを願っています。
4月28日のセンター行事「田植体験をしよう」で参加者の方々に植えていただいた稲苗は、アオミドロ(5/4ブログ参照)とたたかいながら生長し、今はイネドロオイムシとたたかっています。
毎年この時期(6月初めころ)になると、多かれ少なかれ田んぼの稲の葉がすじ状に白くなってしまいます。
これはイネドロオイムシ(イネクビホソハムシの幼虫)の食害によるものです。
イネドロオイムシは、越冬した成虫(イネクビホソハムシ)が5月上旬ころから水田に飛来し稲の葉に産卵します。
そして、6月上旬ころから孵化し、その幼虫により葉の食害が始まり、食害にあった部分が白くなるのです。
上の写真のどこに幼虫がいるかわかりますか?
葉には小さな黒っぽい泥のようなかたまりしかありませんよね。
実はこの中に幼虫がかくれているのです。
黒っぽい泥のようなかたまりを取り除いてみると、中から幼虫がでてきます。
泥のような黒いかたまりは幼虫の糞で、これを背負って移動しているのです。
ですから外見から幼虫を見ることはできません。
成虫は体調5mm位になり水田付近の雑草地や山林、枯葉の下に潜むなどして越冬します。ですからどうしても山間部の谷津田に発生が多くみられます。センターの田んぼも谷津田に近い環境なので発生しやすいのだと思います。
イネドロオイムシが発生すると、イネの葉は食害により白くなり生育が悪くなってしまいますが、晴天が続き気温が高くなる7月ころになると白い葉は消滅します。
イネはその後、遅れて新しい茎や葉が出てくるため食害前の状態に回復したように見えますが、草丈は短く穂数も減少することがあります。
農薬を使えば完全に駆除できますが、センターでは農薬を使わないので晴天が続き気温が高くなるのを待つしかありません。
この時期がくるまでは白い葉を眺めていなければならず、ある程度までは回復するとわかっていても、もどかしさを感じてしまいます。
晴天が続き気温が高くなる梅雨明けがまちどおしいです。